トーテム・レノン
A僕が庭で水浴びをしていると、妖精が話しかけてきた。
「ヤァ、僕、妖s・・・」
僕はその妖精を見つけると同時に自家用ジェット機でその場を脱出した。
「ふぅ〜、危なかった!」
僕は妖精アレルギーで、妖精に触れると全身の細胞がアレルギー反応を起こして死亡するのだ。
これまでも何度も危うい経験をした。
今死ぬわけにはいかないのだ。
「危ないところでしたね」
秘書兼召使のじいやが話しかけてくる。
「あぁ、今日はあと3センチぐらいのところだった」
「そんなに近かったんですね」
「恐怖体験はもうこりごりだよ」
「本当にお気をつけください」
僕は安堵してビンに入ったスパークリングウォーターを飲み干した。
「ところで、ご主人様宛に手紙が届いています」
「手紙?」
「えぇ、なんでも昔の学友だった方だそうで」
僕は嫌な予感がして、その手紙を魔法で消滅させた。
「存在とは物質であると同時にエネルギーでもある」
僕はそう言って寝室に向かった。
「ヤァ、僕、妖精」
ドアノブの姿をした妖精に僕は嵌められた。
「手紙を書かないといけませんね」
じいやがそう言って窓の外を見た。