ギルドハウスには酒瓶が並んでいる
マリーマーリー酒なら何が好き?と聞かれれば、日本酒、中でもどぶろくやにごり酒が好き、と私は答えるでしょう。
では、なぜ酒を飲むのか、酒のどこが好きなのか、ふと考えることがあります。
ギルドで飲むようになったきっかけは正直思い出せません。確か、去年の年末にドラクエとコラボした日本酒「そして伝説へ…」をギルドで飲みたいと用意したことは覚えているのですが、それ以前にもギルドで飲んでいたようなそうでないような…。もしその前から飲んでいたとしても、それはギルドとそこに住む住人たちの雰囲気がそうさせたのでしょう。きっと、並んだ酒瓶を見て、おみやげに持って行ったら喜ばれるかなくらいの気持ちで酒を持ち込んだのではないかと、今になって思います。
ギルドで飲む酒は、一人で飲んだり、外で飲むよりも、安心して飲め、そして楽しいのです。一緒に飲む誰かがいるということ、誰もいなくても暖色の明りに照らされた静かな空間で杯を傾ける時間が過ごせるというのは、なんともいえぬ贅沢です。
並んだ酒瓶を眺めているだけでも楽しくなります。綺麗な色や面白い形をしたもの、ラベルがお洒落なもの、格好いいもの…思わず写真に残したくなります。
そして、瓶の一つ一つに、飲んだ時の記憶があり、ストーリーがあります。
おいしい酒だったためにあっという間に飲み干され、ほとんど飲めなかった記憶、発泡性の酒を開ける時に振ってしまって爆発した記憶、お気に入りの徳利とどぶろくの瓶を両手に持って「のんべえみたい」と言った私に住人たちから「みたいじゃなくてのんべえでしょ?」と返ってきた記憶…よみがえるそれらが愛おしいのは、そこにいる人々がいつも楽しそうに笑っているからなのです。私もその中で楽しく笑っているからなのです。
それらを酒瓶を見ながら思い出す、そんなひと時も大切で、そこに私は私の歴史を見出します。
ただ、惜しむらくは、酒瓶を洗って置いておくといつの間にか捨てられてしまっていることでしょうか。記念にとっておきたいと思いつつも、ゴミ箱から救出する気にはなれないのです。思い出をゴミ箱から拾い上げるのは切ないのです。
本当の名前を知らなくても、仕事や出身地を知らなくても、一緒に食べて話して楽しくなれる、飲むとそれがもっと楽しくなる。私にとってギルドと酒は切っても切れない仲なのです。
少し前までの私は「おいしい酒があったら飲む」というスタンスでしたが、今では「うまい酒があったら飲まねばならぬ」という使命感に突き動かされています。自分好みの酒をもっと知りたい、並ぶ酒瓶を一つでも多く増やしたい。これが、なぜ酒を飲むのか、酒のどこが好きかという問いの答えになることを願って。
気が向いたら、酒瓶を持ってふらりとギルドへ来てみてください。酒瓶がなくとも、ギルドにある酒瓶を見ながら話をしましょう。
いつまでも酒瓶の絶えないギルドでありますように。
(現在、ギルドにある酒を絶賛消費中です。手伝ってくださる方大歓迎!)